便秘 原因 解消

プロローグ


私は子供のころからずっと便秘に悩まされてきました。排便は3〜4日に一度で時間も不規則でしたし、いつも便が固く排泄に苦労していました。

でも、現在は毎朝、健康的に排便があります。いったん定期的な排便の習慣が身についたら、いまは特に心掛けて何かをしなくても、毎日あることが普通になっています。そんなふうに便秘が解消されたきっかけは、介護施設での勤務で「オムツ外し」の試みを行ったことでした。

当時私が勤めていた特別養護老人ホームでは、ベッド上で臥床のままオムツ内に排泄することを余儀なくさせられている方が多くおられました。一方で機能訓練担当者だった私は高齢者の機能訓練というものに意義を見いだせなくなっていました。そして暗中模索の末に思い至ったのは、「適宜介助によってなるべく本来的な生活行為を行って頂くことこそが、高齢者にとって最も適切な機能訓練なのではないだろうか」ということでした。つまりは「生活介護=機能訓練」という考え方です。



そこで、食事・排泄・入浴の三大生活行為の中でも特に人の尊厳を脅かす排泄の不自由について、なるべくオムツに依存せずに出来ればトイレで、それが無理なら居室のポータブルトイレで、座位姿勢での排便を行って頂こうと考えました。

多くの書籍に当って人の排泄のメカニズムを学び、独自に対象者の排泄記録を付け、処方されている下剤の作用機序なども調べました。漫然と長期に飲まされている下剤は自然な排泄周期をかく乱し、排便のタイミングを予測するのはとても難しい作業でしたが、医師にも相談をさせて頂きながら座位排泄介助を行うことを、機能訓練の一環として行いました。私自身も手術を受けた際に経験がありますが、寝たままでの排便など本来は無理なのです。

でも、そうした取り組みも結果としては私の独りよがりに終わってしまいました。予測通りに上手く座位での排便を引き出せた場面も多くあったのですが、それは私が独力で行ったのであって、残念なことに周囲の協力は得られず反応は冷ややかなものでした。縦割りな職場環境の中で、私の試みは看護や介護の領域に踏み入るものでしたので、そこでの成果はとりもなおさず担当職種の在り方に見直しを求めるものとなります。やがて私は疎まれ、嫌われ、「黙って機能訓練をしていればいいのに」と、誹謗中傷を受けるようになりました。そのようにして「オムツ外し」の試みは、私が特別養護老人ホームの機能訓練指導員の職を辞するきっかけにもなったのでした。



私は現在は自営で訪問リハビリテーションの仕事をしていますが、オムツ外しに取り組み、排泄について学んだことは、いまでもとても役に立っています。介護をしたりされたりする必要が生じたとき、真っ先に直面するのが排泄の問題です。それを支えることは対象者の人格を支えることですし、食事をして排泄をするという人体の根源的な営みについて理解が深まったことは、私にとっては一生の財産となりました。かくして私自身の便秘も、そうした知識を得たことで解消されたのでした。

これから私は排便のメカニズムについての情報を皆さんお伝えしたいと思っています。それを理解すれば便秘の解消のために何をすべきかということは、自ずと皆さんの側で答えを見出だして頂けるのではないかと思っています。「便秘」という現象を解消しようとした時、その原因は多岐に渡りますし、複数の因子によって問題が生じているかもしれません。場合によっては医師の指導の下に解決していかなければならない部分もあるかと思いますが、それぞれがご自身の状況に照らして情報の取捨選択を行い、思い当たるところから一歩ずつ、便秘解消の取り組みを進めて頂ければと思います。

それでは、前置きが長くなりましたが、まずは正常な排便の流れについて見ていきたいと思います。

 

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